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tomyiさんの本棚 > カラスの親指 by rule of CROW’s thumb


たかが本されど本»

独断と偏見のつぶやき

レビュー by tomyiさん

 読み終わった  読了日 : 2008年11月12日  5

ふとした事から同僚の借金の保証人になったことで
返済に翻弄され、あちこちの消費者金融から借りるうち
思わぬ落とし穴に、会社も辞めざるを得なくなり
一人娘との平穏を取り戻すため
やがて、ヤミ金業者のヒグチという人物から取り立ての
仕事を持ちかけられ裏社会に身を落とした竹沢(あだ名:タケさん)
母子家庭の女性を自殺に追い込んでしまい心に負い目を感じ
挙句は、組織の機密種類を盗み出し警察に駆け込む。
捜査と摘発で壊滅するが、それによって、組織による仕業と思われる
報復で娘を死に追いやってしまうのである

そんな彼のアパートのドアの鍵穴に細工した事を見抜いた竹沢は、
同じ手口で錠の交換をさせ小金を稼いでいた常習犯と思われる
妻を亡くしたという鍵屋の入川鉄巳と出会うきっかけとなり
通称テツさんは、竹沢のアパートに転がり込むことに。

人生の辛酸を味わっている二人の中年男の前に、
スリで生活を支える曰くありげなまひろという少女が現れる。
スリが失敗した現場に遭遇し同業者のよしみなのか、
彼女を助けたことが縁で
家賃が滞り住まいを追い出される羽目になったまひろの同居人である
姉・やひろに、やひろの彼氏で売れないマジシャン・貫太郎と3人
が結局、竹沢のアパートに・・・こうして5人の奇妙な共同生活が始まるのである。
だが、摘発された筈のヤミ金のヒグチ、債務整理屋の謎の男など怪しい影がつきまとい
住まいを放火される、とか何者かがゴルフクラブを持って部屋に押し入るとか
危険な目にあい、怯える日々遂に、
彼らは、それぞれの再出発を決意し、リベンジに打って出ようと
アルバトロスという大胆な得意技を使った作戦を仕掛けるのだが・・・・。
 世の中には、ファミレスとかで食事していてもメールをしてたり、それぞれが勝手気ままに
、他人のような家族があったり、だったら家族のような他人がいてもいいのではないか・・・と
この作品を描いた経緯を著者はあるTV番組で語ってた。

ちなみに、タイトルのカラスの親指について
カラスとは玄人、詐欺師のプロだという意味合いのことがラストで触れられる。
いくつもの伏線が散りばめられ一転、二転するドンデン返しに
ずんずんと惹かれていく。
古典的な詐欺の手口も読みどころかも。
HERON,BULLFINCH,・・・と各6章が英語になっていたり
テツさんが使う英単語や
登場人物たちの名前、詐欺に扮する際の名前がアナグラムという
まさにクロスワードパズルのような謎解きも面白さがあり
一つのキーワードになっている
読み終えて、結末の意外性に何だこれは・・と
狐につままれたように騙されていたことに気づくのだが
薫風のような心地よい読後感である 登録日 : 2008年11月12日 23:30:52


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