発光地帯

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年1月1日発売)
3.63
  • (27)
  • (62)
  • (60)
  • (10)
  • (2)
本棚登録 : 586
感想 : 90
4

エッセイ集なんだけれども、
ちょっとした詩集のようでもあった。

神経をはりすました冬の夜のような、
静寂と、すこしの安堵と、自分は世界から切り離されているのだ、
というような孤独と、落伍感。
ふだんはもっと雑然としたものに塗りつぶされて、純粋にそういう感覚に
浸ることは月に一度あるかないかだと思う。
でもこのひとは、
生きているあいだのどの瞬間もスイッチがONになっているんだろう、
というのがよくわかるエッセイ集だった。

アイディアノート、詩集と言ったほうがいいかも。
なんとなく読んでいるとインスピレーションを刺激されました。

個人的に、食べ物への無頓着さとそれを申し訳なく思っている感じが
自分とオーバーラップしてちょっとほっとしたり。
手元においておいて、ふとした瞬間に読みたい本ですね。

『乳と卵』 はあまり好きではなかったのだけれど、
この人の小説が読みたくなりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年10月24日
読了日 : 2013年10月24日
本棚登録日 : 2013年10月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする