明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち

著者 :
  • 幻冬舎 (2013年2月27日発売)
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感想 : 210
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何事にも特別に秀でた長男 澄生を筆頭に、綺麗で特別で完璧な幸福に満ちた澄川家。

両親の子連れ再婚は成功し、新しい家族にも恵まれたのだが…。澄生が落雷に打たれて17歳という若さで命を落としてから、拠り所を失った一家はどう生きていくのか。

久しぶりのエイミーさん。卒論のテーマに山田詠美さんを選んだので、一通り著作は読んできたつもりですが「風味絶佳」以来かな…3.11以後に書かれた作品ということで、、、

テーマは家族の喪失と再生かな。

澄生を失い、アルコール依存症になるまで追い詰められてしまう母親、大切な人を突然失うのが怖くて恋愛に向き合えない長女、自分を素通りする母の愛を求めて年の離れた未亡人と付き合う次男、誰よりも愛された兄を死んでしまえばいいと憎みもした次女。

一人っ子の私には親の愛情を巡る兄弟間の争い、みたいなものはよく分からないけれど、大事な人は出来れば独り占めしたいし、されたいのが人の性。

不在なのに誰よりも色濃くその存在を感じさせる澄生に、他人ながら嫉妬します。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ワケあり。
感想投稿日 : 2014年3月5日
読了日 : 2014年3月5日
本棚登録日 : 2014年3月4日

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