ついにシャルル王太子との謁見がなり、大きく事態が動き出す第2巻。
周囲が自分たちの見たいものをジャンヌに重ねて大きなうねりになる構造は、好意的な勘違いで成功を続けるタイプの喜劇でもある。ただジャンヌ自身にも似た構造が内包される上に、啓示の存在がまた不穏。
現代日本の視点から見れば百年戦争でシャルルに肩入れすることが特別な正義でも無いことが、作品中の高揚した読書感の背後に忍び寄る。
それでもジャンヌの聡明さと勇気は極めて魅力的に描かれていて眩しいばかりであり、惹き込まれる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年1月3日
- 読了日 : 2017年1月3日
- 本棚登録日 : 2016年12月29日
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