ルーム [DVD]

監督 : レニー・アブラハムソン 
出演 : ブリー・ラーソン  ジェイコブ・トレンブレイ  ジョアン・アレン  ウィリアム・H・メイシー 
  • Happinet
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本棚登録 : 369
感想 : 68
5

冒頭だけ見ていると幾分影のような暗さがあるものの、慎ましくも明るく暮らす母子の物語で、子供の純粋な想像力が可愛い。

監禁されて小さな息子と二人だけの世界…って
恐ろしく残酷な世界だ。
ちょっとしたコトで子供を叱ってしまうなんて、
よくあるコトの筈なのに…

大声を出してストレス発散…
告白の瞬間…
余りにも苦しくて苦しくて、
正視出来ないほど胸の傷む瞬間だった。

人間は環境に適応して生きていける生き物であるが、
コレは…適応とか順応ってコトじゃ無い。
気持ちを理解させることの難しさ…
耐えて耐えて耐えて、感情的にならずに
優しさを決して忘れない母の強さ…

5歳児が出せる表情ですか?あれが…
衝撃的な展開、ここからこの物語が始まるんだね。
まるで閉ざされた異空間から地球に現れた宇宙人だな。

もはや、死んだものと諦め切っていた娘
人権蹂躙の末、望まれずに生まれた子

戸惑い…子供にも大人にも
どうやって受け入れたらいいの
優しい時間がゆっくりと流れることで
少しずつ変化を受け入れられる。

解放の後、後悔と受け入れ難い現実が押し寄せてきた。
自身に起こった出来事をそんな簡単に忘れるなんて

何が最善であったか?
どう重要なんだ?こんな特異なケースで最善の選択をしたかどうかなんて…何故そんな質問が出来るのか?
世間や一般大衆に受けるからか?
ジャーナリズムとは、知る権利とは、一体何もンなんだろうか?

「でも、ママだよ」
そうだ。それだけは絶対に変わらない。
たくさんを考える必要なんてない。
一番シンプルなことを大事にしているだけで
それだけでいいんだよ。

サヨナラを云うことで
再スタートすることが出来たんだね。
忌まわしい過去だけど、自分の過去
ちゃんと受け止めて、ちゃんと忘れる為の
センチメンタルジャーニー

スゴイ作品だった。
事件の被害者だったり、サバイバーだったり
そんな境遇に堕ちてしまっても
やり直すことはいつでも始められるって
再生の物語ですね。

素晴らしい作品でした。





















読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年6月25日
読了日 : 2017年6月24日
本棚登録日 : 2017年6月24日

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