とりかえ・ばや 3 (フラワーコミックスアルファ)

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hibiki-cさん 小学館 flowers   未設定

【デザイナーメモ】いよいよ愛憎入り乱れる展開となる巻なので、1巻の無垢、2巻の若々しさに対して、3巻ではより頽廃に傾けたエロティックを志した。

いくつか提案した画題のうち、採用された案は「3人でベッド・イン」と呼んでいたもので、下敷きとしてジョン・レノンとオノ・ヨーコの「ベッド・イン」(1969年)があり、さらにそれを受けたイエロー・マジック・オーケストラの「3人でベッド・イン」パフォーマンスがある(「Technodon Remixes I」のカバーアートなど。1993年)。前者は「愛と平和」のメッセージだが、後者は「呉越同舟」というようなイメージも喚起したはずで、それを平安風の共寝に置き換えてみたら面白いのではないかという主旨。また、1・2巻が横からの構図だったので、カメラを俯瞰に据えてみるという意図もあった。

さいとう先生はさすがの作画で、華やかに広がる四の姫の乱れ髪、石蕗のたくましい背中と対比される沙羅の華奢な肩、かすかに見える胸のふくらみなど、絵的にもたいへん見どころの多いカバーになった。

同時期に発売の掲載誌『flowers』にはこの3巻と対になる「かけかえカバー」ふろくが綴じ込まれた。こちらのイラストは上記の「裏」バージョンで、一回転して本来の「2人の」ベッド・インに戻したもの、ただし沙羅と石蕗はともに烏帽子姿で一見男性同士、実は男女という、さらに倒錯を深めたモチーフになっている。

ボツ案の中には、手前に沙羅、奥に石蕗・四の姫が一列に並び、美しく6本の手を広げる「阿修羅」というものもあり、これは1巻のさいとう先生の作画に触発されてモダンバレエの様式美を狙ったものだったが、実際の作画を考慮すると細身の沙羅が先頭ということもあり意外に見せ場が少なかったので残念ながら不採用となった。先生に描いていただいたイラストラフは3巻の表紙(カバーをめくった下)に採録されている。(カバー、表紙、帯、総扉、目次その他を担当)

レビュー投稿日
2014年1月16日
本棚登録日
2013年11月9日
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