緑のルーペさんの初単行本。成年向けです。
短編二本と、あとは表紙&タイトルにもなっているイマコさんを主人公にした長編です。
繊細な線だけどもエッチシーンは濃厚で、
更にプレイの幅もかなり広く、純愛・寝取られ・陵辱と何でもあります。
実用重視の単純な分かりやすい話ではなく、
ストーリー性を重視しつつも濃厚なエロを描いているので読み応えがあります。
メインの長編は、おそらく一回読んだだけでは分かりにくいと思います。
初めてテレビ放送された時のハルヒを見たときのような感覚。
あれ?この話ってこういう順番でやるの?っていう感じ。
読んでいるとちょっとした混乱に近い感覚にとらわれます。
その辺の構成や展開は作者さんの意図的なものだと思います。
理解しにくくする事で物語に引き込ませ、印象付ける。
確かにインパクトはかなり大きく、そして効果的でした。
僕の中では、緑のルーペさんは読ませる作品を描くのだなという印象が強く残りました。
何作か出してこういう手法をとるよりも、
最初からこの様にした事で独自の作家性を出せて良いのではないでしょうか。
総評としては、純愛物なのかな?と思わせる序盤、そして急展開の中盤、
最後にどんでん返しの終盤、そして謎の後日談。
正直、終盤で話のオチがわかっても「え?あれ?」ってなるくらいに読みにくいです。
いくら濃厚なエロスを描いたとしても、
この読みにくさではそのエロスを感じるよりも、
話の謎が頭を駆け巡ってしまうのではないでしょうか。
全体に漂う退廃感と背徳感も苦手な人は多いと思います。
誰にでも勧められる作品ではないです。なので評価も★3です。
ただ、イマコのキャラクターとしての可愛さ、いろんな面を持つ魅力は★5です。
このキャラクターとストーリーを描く力があるのだから、
今後がかなり楽しみな作家さんであることは間違いないです。
- 感想投稿日 : 2010年9月27日
- 読了日 : 2010年9月27日
- 本棚登録日 : 2010年9月24日
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