「人間のクローンを食用として飼育する近未来の日本」というトンデモ設定ですが、中身はコテコテの推理劇です。生首の混入方法を巡る多重解決や、犯人を特定するロジックは非常に精密ですし、設定を活かしたメイントリックはカタルシスを得られます。本格ミステリーとしては素晴らしい出来です。
ただ、人が人を食う設定は既視感(某漫画を想起させる)がありますし、近未来の日本という設定なのにクローン以外で近代らしさを感じられないのが残念です。物語世界の構築がやや不十分な気がします。
読書状況:読み終わった
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さ行の作家
- 感想投稿日 : 2014年12月22日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2014年12月22日
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