もうひとつの核なき世界 真のCHANGEは日本が起こす

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  • 小学館 (2010年11月29日発売)
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核をめぐる冷静な議論のために。日本からだけ見た核廃絶ではなく、世界のなかの核をめぐることで、論点とゴールをはっきりさせている。誰かに託すのではなく、自分事にして、という落としどころが、当たり前すぎて残念。貧困大国アメリカ・シリーズに比べるとキレが悪い。

・広島の原爆資料館。歴史的な背景が欠けている。破壊力と犠牲者の情報ばかり。被害者意識しかない。
・核兵器そのものに、どうやっても自然に戻せない物質が使用されているのが問題。廃絶の難しさ。
・ECRR(欧州放射線リスク委員会。緑の党由来の私的機関)の科学者たちが長期間かけてじわじわと生命を蝕む低レベル放射能との因果関係を指摘しているのに、国際機関だけが1945年から一歩も出ていない。
・歴史教育の意味とは、血の通った人間であることを思い出させること。
・日本の平和運動の弱点:1.世界唯一の被爆という被害強調。2.平和憲法の自画自賛依存
・スミソニアン元館長:私たちは歴史的事実を正確に伝えなければ。結論や解釈まで押しつけてはいけない。良き未来を作るのは次世代の役割。彼らを信頼して、ただ手渡すのです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本<人権・平和>
感想投稿日 : 2014年3月11日
読了日 : 2014年3月11日
本棚登録日 : 2014年3月11日

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