葬送 第二部(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2005年8月28日発売)
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本棚登録 : 368
感想 : 42
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月並みだが、死と生を対照的に描ききった佳作であった。ショパンの死。一気に死ぬのではない。死んだ後も緩慢に過酷は続く。この感覚はかつてトルストイの作品だったか、感じたことがある。対して、ドラクロワの生。他の人物もそうだが、俗物性がこの物語の主題であったように思う。ショパンが姉に会えた感動を私も分かち合えたことも含めて。フランショームのグジマワ伯爵と交わした不協和音についての喩えが、その俗物性の象徴かと意味深であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本<文学>
感想投稿日 : 2016年1月24日
読了日 : 2016年1月24日
本棚登録日 : 2016年1月24日

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