カール・マルクス: 「資本主義」と闘った社会思想家 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2016年4月6日発売)
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マルクスと聞くとイデオロギー色が強かったのかと思っていたが、精緻な歴史・社会分析に基づいたリアリストであった。イメージが一変した。

資本主義の本質である物象化に抵抗する思想家。人間疎外を克服する実践への志向。

なかでも労働力のみ利潤を生むとの指摘、その奥底には労働力の再生産の維持(最低限の生活費)を見抜いた慧眼はすごい。奴隷から賃労働へと至る道は、フーコーにも通じる生権力がそこにあった。

抵抗の拠点は、マイノリティとの連帯、前近代的共同体、地球上の生命活動の全体。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本<経済>
感想投稿日 : 2016年6月7日
読了日 : 2016年6月7日
本棚登録日 : 2016年6月7日

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