日本を、プライドがだめにする。
暑いし光熱費を節約するために涼しいところで本を読もう、と気になっていた初めて行く図書館へ。
結果、読みたい本を読まずに開架で見つけた本を読みふけってしまうというあるある。
人目に付きながら、キャッチーなタイトルなこちらの本を。
すごいですよ、長野県の人口と同等の人数が、30歳以上の中年童貞であると、最初のページで提示されます。何たるインパクト。
第一章から出るわ出るわ、社会とうまくコミュニケーションの取れないおっさんたちが。
こういった人たちのタイプとして、自分に自信のないタイプと 自己を過大評価してしまうタイプとが挙げられています。
ああ、いるいるこんな人たちと職場で見かける困ったさんの事を思いながら読み進めていきました。
過大評価タイプの共通項がどうも「プライド」だと思うんですよね。
このいらんプライドが、他者との交流を邪魔して、更なる負のスパイラルへ墜ちていく図式を完成させるのだと、こういった本を読むと感じます。
そんな中、第六章でにわかにおお!と私のテンションが高まります。
こちらでも紹介させていただいております田房永子さんが登場するじゃないですか。
(これ、出たいなぁ。田房さんに分析・コメント頂きたい 「うちの母ってヘンですか?」田房永子 秋田書店)
こういった日本の問題点は、田房さんのテーマとリンクするのだなぁと。そして私もそういうつながりのある本を選んでしまうのだなぁと。
母と娘の問題を投じる田房さんが論じる母と息子。
そちらの方が、残酷だなぁと、ぐさぐさと突き刺さる思いになりました。
毒親に対し、女性は耐えられなくなり、病んで気づいて逃げ出す事もできるが 男は一生母親の保護の元、社会を母親の用水だと思って終えられる。
まさにその通りだと、我が身を持って感じます。
私は家を出て、今は数年に1度しか家に戻らず、男兄弟は大学卒業後定職に就かず親にパラサイトして30歳を迎えようとしている。
さらに、そこから小川氏(仮名)、二村 ヒトシ氏へのインタビューで「父親」へと話題が移ります。
団塊の世代が父親になる力がなく、それ以下の世代の男に子供を育てられない。
ああ、まさにそれもその通り!と叫びたくなるような言葉。
そういった中必要とされるのが父親的存在を持っていう人の存在。
血のつながりはなくとも、会社や、コミュニティで絶対的な権力の中で再教育が必要であると。
翻ってそれが現代社会の中でどれだけ困難なことかということを考え、最終的にため息をつくことに。
文中でもあったように、邪魔なプライドが高く、コミュニケーション能力の低いこういった人たちは、北欧の凍死する人たちのように、淘汰されるほかないのか。
女性の社会進出に伴い、確かに私も、自分一人を養うことはできる生活を送れていて、そこで収入も低くコミュニケーション能力も低いのにプライドだけが高い男と関わる必要は無いと感じてしまいますからね。
危機的な人工減とそれに伴う困難を目の当たりにしない限り、どんどん日本の人口が減っていくんだろうなと思った次第です。
中村さん名前のない女たちか職業としてのAV女優とか、以前から気になる本の作者さんでした。
是非、読みたいな。
- 感想投稿日 : 2016年8月8日
- 読了日 : 2016年8月3日
- 本棚登録日 : 2016年8月8日
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