【2015年・第13回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】女王はかえらない (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2016年1月8日発売)
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一人の女子児童がクラスの頂点に立ち、厳格な階級社会が営まれていた4年1組。そこへ転入してきた一人の女子児童がその状況を崩壊させ、ある事件を誘発させる…
幼いからこそのむきだしに残酷なスクールカーストのようすが綴られていき、その不協和音が高まってきて事件が起こる。そして終盤、その事件の真実が明らかになっていく、という筋立てそのものはミステリの王道に近いものですが、たたみかけるような意外性の連続が軽やかに描かれていて、とても巧さを感じた作品でした。
話としてはいわゆる「イヤミス」で、爽快さなどさっぱりありませんし綺麗な小学生の存在を信じたくなったりしますが、フィクションとして楽しむには盛りだくさんのエッセンスが詰め込まれた面白いお話だと思いました。
暴力的な要素でなく、心理的に追い詰めていく描写はやはり女性作家さんのほうが描けるな、とも感じました。実績のある作家さんだからかもしれませんが。
読む人を選ぶ作品ですが、フィクション!ミステリ!として楽しむ分には充分に満足できるお話だと思いました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年12月31日
- 読了日 : 2016年12月30日
- 本棚登録日 : 2016年12月31日
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