町の小さな葬儀屋「セレモニー黒真珠」。そこで働く男女たちと、彼女たちとかかわり合う人々とのおかしくも哀しくもあるエピソードを連ねた連作短編集です。
ざくざくとしたさっぱりした筆致で、語り慣れた男女のあれこれとともに葬儀という場であらわになる人の本性や企みを描いていきます。
さっぱりとした描写や表現ながら書かれている内容はけっこうエグく、容赦がないと感じる部分もあります。「白真珠」の元恋人の一言はひどすぎる…。
けれどどんな醜悪な人間の姿を見ていても、しゃきしゃき働く黒真珠の面々を見ていれば、人生捨てたものじゃないかも?と思わせてくれる、前向きさを得ることができます。
さくっと楽しめた一編でした。作者のコミカル路線はこのくらいが私にはちょうどいいかなと思いました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年7月7日
- 読了日 : 2014年7月5日
- 本棚登録日 : 2014年7月7日
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