八咫烏シリーズの第4作目。前作での宣言通り、頸草院に入峰を果たした北領垂氷郷の雪哉。雪哉は山内衆として若宮を支えるべく、(むしろ積極的に)トラブルに巻き込まれつつも、同郷・同室の茂丸と市柳、西家の御曹司・明留、南領出身の千早と確かな絆を築きあげ、順調に院で成長してゆく。
さて、雪哉が頸草院に入峰して間もなく、若宮の即位の準備も整った。即位の礼も間近に迫ったある日、神職である白烏から突如、若宮の即位非承認の通達が届く。未曾有の事態に、若宮をはじめとする一行は、白烏に問いただすべく禁門に足を運ぶ。白烏によると、若宮は金烏たる資格を完全には満たしていないという。不確かながら、それは先代の金烏の死に関係しているようで...?
それから3年後、卒院を間近に控えた雪哉の嵐試の日、山内は再び猿の侵入を許してしまう。山内中を震撼させたその出来事はしかし、世界の謎、ひいては若宮を金烏たらしめる記憶を紐解く鍵となる。
表紙の、羽衣を纏い山内を見下ろす青年。読む前は若宮だと思っていた。読んでいる途中に澄尾か?と思い、読み終わってやっと、その広く逞しい背中、悲愴なまでに精悍な横顔は、紛れもなく雪哉の成長した姿だと判る。
迫る猿との決着の時。近づいてくる終焉の予感。どきどきです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年9月28日
- 読了日 : 2017年9月25日
- 本棚登録日 : 2017年9月11日
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