荒野のロマネスク (岩波現代文庫 文芸 36)

著者 :
  • 岩波書店 (2001年8月17日発売)
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本棚登録 : 52
感想 : 3
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著者の著書は何冊か読んできたが、結論としてはただ一つに集約される。新たなる民族誌への示唆、ノスタルジアからなるペシミズムに陥ることなく「それぞれの母語をもった無数の商人たちが一カ所に集中し、相互交易の意思伝達のために自然にあみだす混成言語」に希望を託す。何度も繰り返し訴えることが重要であり、何度も耳を傾けることで視野が開けゆくことに疑いない。主に中南米での経験から導き出された考察であり、直に見聞した祭りや踊り、人々が語るそれぞれの物語を源泉として幾筋もの流れる川となり、荒野に新たなるロマネスクを描き出す。


ル!クレジオ!
叫びたくなるほどいいね。クレジオは一冊しか読んだことないけれど重要な作家。もっともっと読まねば!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 思想
感想投稿日 : 2015年6月21日
読了日 : 2015年6月21日
本棚登録日 : 2015年6月21日

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