芥川賞受賞ということで手に取ってみた。受賞作ではなく前作を選んだのはタイトルに魅かれてのこと。ロック塗れの青春を送った者として、何等かの、嘗ては所有していたのにいつの間にか失ってしまった熱い息吹とやらを取り戻せるのではないかと期待してのこと。ところがそういう小説ではなかった。それどころか若き日の青春の思い出、あの頃のえも言われぬ溢れる感情さえも、記憶というものはぼやけ入り交じり変形し薄まるものだと、あわあわとさっぱり認めてしまう結果に。肩透かしを食らわされながらも清々しさが残るのは、たぶん文章がいい。
しかしジミヘンはぜんぜん清々しくなんかないのでタイトルに騙された感。一平くん、がんがん火を燃やしていましたけどね!
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2016年2月6日
- 読了日 : 2016年2月6日
- 本棚登録日 : 2016年2月6日
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