神聖喜劇: 長編小説 (第1巻) (光文社文庫 お 9-5)

著者 :
  • 光文社 (2002年7月1日発売)
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覚悟を決めての再読。読み手は多大なエネルギーを要する。増して書き手は想像絶する膨大なエネルギーを費やしただろう。それほどに読む価値のある小説。アホみたいな瑣末事項にまで拘る軍規に雁字搦められ、条文を熟知し考察する自称虚無主義者東堂二等兵の思考の流れを追従する。それは軍隊の在り方から左翼運動、部落問題にまで広がり、東西の古典文学からの引用が文中靡き渡る。恐るべき情報量と知識量に圧倒。多彩な登場人物、サスペンス的構成も大きな魅力。+ユーモアだ。上官をやりこめる東堂の理論に快哉を送る。残り4巻じっくり取り組む。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2014年1月13日
読了日 : 2013年8月5日
本棚登録日 : 2014年1月13日

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