『教科書に載った小説』というタイトルのアンソロジーですが全て未読でした。そして全てがじんわり心に響く珠玉の掌編、小さな宝箱にしまっていたお話しがそっと蓋を開けて流れてきたような味わいです。中でも吉村昭の「少年の夏」の静かに張りつめた空気の奮えに感応しました。流行の先端の人と思っていた編者へのイメージを覆すセレクト、あとがきです。教科書でしか読むことができない作品が含まれています。編んでいただきありがとうございます。
《収録作品》とんかつ(三浦哲郎)/出口入口(永井龍男)/絵本(松下竜一)/ある夜(広津和郎)/少年の夏(吉村昭)/形(菊地寛)/良識派(安部公房)/父の列車(吉村康)/竹生島の老僧、水練のこと(古今著門集)/蠅(横光利一)/ベンチ(リヒター)/雛(芥川龍之介)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
アンソロジー
- 感想投稿日 : 2014年1月9日
- 読了日 : 2012年10月21日
- 本棚登録日 : 2014年1月9日
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