あらゆる民族の統一という憧憬はわからなくもない。国境は流通を妨げ、故に局地的な不平等を齎す。歴史的多様性を保護しつつ、領土政策的統一をなさねばならない。それには戦争という治療が必要と、つづめれば平和のための戦争を肯定している。これじゃどれほど煌めきある洞察をしていようと全くダメ。きもちわるい。ユンガーは長生きした(享年103)。後に彼の政治思想が修正されたことはざっくり解説に触れるのみ。ただ、時代の体験者と未体験者との隔たりがあるのかもしれない。体験者であるユンガーの大きな悲哀を感じずにはいられなかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
思想
- 感想投稿日 : 2014年1月11日
- 読了日 : 2013年4月6日
- 本棚登録日 : 2014年1月11日
みんなの感想をみる