ロンドンの養護施設に入っているホリーは、気の合っていたケアワーカーのマイコが仕事を変えると聞かされ、なかばやけくそ気味で里親と暮す事を承諾する。
病気で子どもが出来なくなった里親のフィオーナの部屋でブロンドのウィッグを見つける。ウィッグをかぶると、14歳のホリーは、おとなっぽいサラスに変身できる。ホリーは、ウィッグをつけてアイルランドへもどり、母親を探し出し一緒に暮そうと、里親の家から家出する。
ホリーの信じている母親は、暴力をふるう夫・デニーから逃れ、アイルランドでダンサーをしている。しかし、アイルランドに近づくにつれ、ホリーの抱く幻想から現実が少しづつ見えてくる。
麻薬・売春・養育放棄・DV…、過酷な現実から逃避していた自分と向きあわされるホリー。しかし、里親のフィオーナとレイの辛抱強い優しさがホリーを救い、暖かく包む。
厳しいストーリーながら、最後は安心できる話だった。
カーネギー賞をとった「ホグ・チャイルド」も良かったけれど、これもGOODでした。47歳で亡くなってしまったそうだが、とっても残念。もっと。いろいろ書いてほしかった作家だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
児童文学(海外)
- 感想投稿日 : 2012年10月27日
- 読了日 : 2012年10月27日
- 本棚登録日 : 2012年10月26日
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