レビュー by hitujiさん
花菱清太郎が家族全員を巻き込んではじめたのはレンタル家族派遣業。
元大衆演劇役者という経歴と経験を武器に意気揚々と張り切ったものの、浮草稼業に楽はなし。
失敗につぐ失敗に、借金がかさみ火の車。
やがて住む家すらも失いかつての義理で旅回りの大衆演劇の一座に加わることとなったが
はてさて一家六人の運命やいかに?!(文庫解説より)
荻原さんの小説は2作目だが前回読んだ『明日の記憶』とはあまりにも違う切り口に最初はとても戸惑った。
『明日の~』がシリアス系だとしたらこの作品はまさにドタバタコメディだからなのだ。
序盤はなんだかムリヤリ笑わせようとする感じがあって挫折しないかと心配だったけど
中盤から後半にかけてのドタバタ具合には爆笑してしまった。
清太郎を始めとして清太郎に反抗心が強いが気が弱い長男・太一、10代にして一児の母・長女の桃代、
ちょっと知恵遅れだけど温厚な次男・寛二(主人公)、そしていつまでも腰を落ち着けられない清太郎に文句を言いつつも家族を懸命に支える妻・美穂子。
夫婦喧嘩は絶えないし、桃代は清太郎と会話をしようとしない、太一も然り。
家族の良心といえば寛二ぐらいのものだったのだがそんなに険悪なムードに見えず
どちらかといえば読者をほのぼのとさせてしまう。それはみんなどこかしらすっとこどっこいなところを
随所で見せるからに違いない。家族や周囲の人々とかかわる中での寛二の成長に暖かい気持ちになった
レビュー登録日 : 2011年03月29日
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