出発は遂に訪れず (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1973年10月1日発売)
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感想 : 9
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特攻隊長として自らの死を予期しつつも、結果訪れなかった特攻命令により、生き延びることとなった島尾敏夫の短編集。

表題作の「出発は遂に訪れず」では、その模様が揺れ動く心理描写と共に克明に描かれる他、デビュー作である「単独旅行者」では、自らのレーゾンデートルがどこにあるのかがわからない不安感から、行くあてのない旅を続ける主人公の姿が、当時の作者の心理状態を表しているように見える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2017年9月24日
読了日 : 2017年7月19日
本棚登録日 : 2017年7月9日

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