民王

著者 :
  • ポプラ社 (2010年5月25日発売)
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本棚登録 : 1566
感想 : 306
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政治家でしかも首相が、ある日、突然、息子と体が入れ替わってしまう。
それは超常現象でも霊的なものでもなく、陰謀によって仕組まれたものだった・・・。

しかも、入れ替わった時期は政治的に難しい時期。

この親子は元に戻れるのか?
難しい政局を乗り切れるのか?
いったい誰の陰謀で何の目的があってのことなのか・・・?

ちょっとSFっぽいストーリーですが、
漢字の読めない元首相や飲酒でろれつが廻らなくなった元大臣など
モチーフにしている部分もあり非常にコミカルな小説。

しかし、建前ばかりで本音を出さない政治家や
言葉使いが悪かったり、ちょっとしたミスでも物凄く悪い事を
したかのように報道するマスコミを批判する部分もあり
読んでいて非常に痛快です。

さらに、政治家が既得権益を守るために政治を行っている点も
批判するなどなかなか言いにくいことをしっかりと書いている点も
評価できます。

読み終わる頃には、利益追求ばかりで本当に良いのか?
と考えさせられてしまう、そんな小説です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 池井戸潤
感想投稿日 : 2012年11月21日
読了日 : 2012年11月21日
本棚登録日 : 2012年11月21日

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