著者の作品の『民王』という政治小説を連想し、本作の題名は何を意味するのかと思ったら、商品名だったとは!
中小零細企業主が、周りの人たちの信頼と協力を得ながら、敵役の妨害を排し、様々な障害や困難を乗り越え、目標に向かって邁進。
業種は異なるが、池井戸潤お馴染の勧善懲悪的パターンであり、結末の予想はあらかじめつくが、やはり爽快な読後感は侮りがたい。
著者の作品は、「働く人への応援歌」とも称されるが、作中人物の言葉にもそんなメッセージが託される。
「どんな仕事をしたって、中小企業の経営だろうと、大企業のサラリーマンだろうと、何かに賭けなきゃならないときって必ずあるもんさ。そうじゃなきゃ、仕事なんかつまらない。そうじゃなきゃ、人生なんておもしろくない。オレはそう思うね」
「大事なのは会社の大小じゃなく、プライドを持って、仕事ができるかどうかだと思うね」
そちこちに散りばめられた箴言に、著者の作品は、これからも目が離せない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
企業小説
- 感想投稿日 : 2016年8月21日
- 読了日 : 2016年8月21日
- 本棚登録日 : 2016年8月2日
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