戸村飯店 青春100連発 (文春文庫 せ 8-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年1月4日発売)
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大阪の下町にある中華料理店「戸村飯店」の二人の息子、兄ヘイスケと弟コウスケの物語。
弟は弟で、兄は兄で、それぞれ本当に感じていたことは違い、
お互いを外から見ていたことも違っている。
けれど、どこの家族も、そんなものかもしれない。
家族だからって、すべて分かっているとは限らないし、
家族だからこそわかることもあるだろう。

押しつけがましくなくて、べたべたしすぎない
ちゃんと距離がある家族のつながりみたいなものが
妙に心地よく感じた。

戸村飯店のお客さんたちの方が
よほど人の心にずけずけ入り込んでくるしべたべたくっついてくる感じがするが、それは他人だから良いこと。
これを家族にやられたら息苦しくてたまらないだろう。
そのあたりを吐きちがえると大変なことになるんだよなあ
と改めて感じた1冊。

いいね、こういう家族。

肝心な時はちゃんと助けてくれる。
あとはちゃんと大切に思っていてくれる。
くっつくだけが家族愛じゃないんだよっていうのは
いろいろなものを示してくれる気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: さらっと読みたい
感想投稿日 : 2013年5月10日
読了日 : 2013年5月10日
本棚登録日 : 2013年5月8日

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