新自由主義を「支配階級の権力の回復あるいは創設」のための試みとして捉えている。金融資本の問題性など本書の指摘に肯定する部分もあるものの、「階級」という切り口での分析は個人的にどうしてもなじめなかった。支配階級といっても、新自由主義のもとでの上層レベルの人々はある程度流動的なものであり(ホリエモンしかり)、それを階級と意義づけることに疑問がある。また、労働者階級や福祉国家を完全に善なものという前提での語り口にも違和感を覚えた。ただ、全体として、新自由主義を包括的に分析した書物として意義のある本だとは思う。
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- 感想投稿日 : 2014年5月3日
- 読了日 : 2014年5月2日
- 本棚登録日 : 2012年2月20日
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