大東亜戦争に関するWhat If?について書かれた書籍である。
この手の書籍の多くは、真珠湾攻撃の際の備蓄タンク攻撃やミッドウェーでの兵装転換など、トピックスや戦術面をテーマにしていることが多いが、本書は戦略面にフォーカスしている。
主な内容は以下のとおり。
①南方作戦完了後は、防備を固める
②潜水艦による、通商破壊作戦をとる
③シーレーンを確保する
④特攻隊をより早期に結成する
⑤陸軍をより早い段階で太平洋の戦場に投入する
②、③は指摘の通り。④は大いなる誤解である。日本人は止むに止まれなくなり特攻隊を結成したのであって、決して最初から意図したものではない。①、⑤の指摘も説得力はあるが、戦争終結を見据えた戦略を描くことができなかった日本政府と陸海軍部が、意思統一して実行できたであろうか。
また、著者は①~⑤を実行すれば勝利していたとは考えていない。ただ日本がより抵抗できていたならば、違った形での講和もあり得たのではないかと提起している。
本書の指摘には、頷かされる箇所が多く、良書である。
読書状況:積読
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カテゴリ:
戦史
- 感想投稿日 : 2011年12月18日
- 本棚登録日 : 2010年8月29日
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