羊飼いの少年サンチャゴは彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドを目指し長い長い旅へ出る。
旅のなかでサンチャゴには様々な試練が降りかかるが、絶望のなかでも明確な目的が定まっている彼には強さがあり、それは自身を奮い立たせる原動力にもなっている。また、全ての経験は“大いなる言葉”や“大いなる手”を手にする道へと続く、つまり全ての行動には意義があり、本書では「マクトゥーブ」(「すべて(神の手によって)書かれている」)という考え方につながっていく。
旅の出会いの先々でサンチャゴが経験や人からの教えで学ぶことは、万人に当てはまる大切な姿勢の数々。短い作品にも関わらず人生の指針となるような意味深いフレーズが全体に散りばめられている。
ファンタジーであり、放浪記であり、哲学書でもある丁寧に読み進めたい1冊。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
外国文学
- 感想投稿日 : 2014年6月16日
- 読了日 : 2014年5月20日
- 本棚登録日 : 2014年2月20日
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