終末のフール (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2009年6月26日発売)
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8年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから5年が過ぎた世界が舞台。3年後に「死」を控えた人々の生きる姿を描いた8編の短編集。

仲違いをしていた父娘、人類の死を前に待望の妊娠が分かった夫婦、地球滅亡の知らせとともに両親に先立たれた娘など、地球の終りを目前にしてパニックを起こす世の中を尻目に、残りわずかな時間をどのように過ごすかを模索する人々に焦点を当てています。
登場人物は身の回りにいそうな、ごく普通の人びと。だからこそ非現実的な設定にも関わらずリアルです。紆余曲折はあれども、それぞれが決断した“残りの3年”は「生きること」への真摯な姿勢と決意があります。

逃れられない「死」を前に、いかに「生」を謳歌するか。
こんなにも「死」がべったりと側にある作品なのに、読後は「生き方」ばかり考えてしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2015年6月23日
読了日 : 2015年6月23日
本棚登録日 : 2013年11月26日

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