ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年8月28日発売)
3.38
  • (421)
  • (971)
  • (1189)
  • (359)
  • (146)
本棚登録 : 9309
感想 : 1119
2

派遣社員としてディズニーランドで働くことになった主人公の後藤は、「夢の国」ならではの華やかさを舞台裏でも期待していた。しかしその裏では、正社員と準社員で明確に線引きされ仕事内容も重労働で裏方の裏方…と初日から洗礼を受けることとなる。

気合いが空回りするのは新人にありがちなこと。にしても、後藤のあまりにも出来な過ぎな様子や傲慢な態度に心が全く寄せられず。他の人物にしても親近感は持てず、それぞれの成長物語として読むにはお粗末。後半のミッキーマウス紛失事件にしても蓋を開けてみれば何てことはない。全体的にライト過ぎて不完全燃焼だった。フィクションとはいえ夢の国ディズニーの舞台裏を覗き見した気分になるので多少好奇心は満たされたが、現実こんな職場だったらたまったもんじゃないなと思う。
どのような立場であれ、表舞台を支えようという心意気と目の前の仕事を責任を持って全うしようとする姿勢は最後に少し伝わった。
ディズニーは「夢の国」のままでいいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2015年3月25日
読了日 : 2015年3月24日
本棚登録日 : 2014年10月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする