NHKの「クローズアップ現代」で特集された『女性の貧困』をテーマにした番組を書籍化したもの。若年層の所得が年々減少し、将来に希望が見いだせない若者が増えている。そんな近年の社会情勢の中、日々の生活すら儘ならない困窮した女性たちが居ることは明確で、明日は我が身的な気持ちで手に取った。
例に挙がっているのは「奨学金の返済に追われるOL」を始めに、「親の育児放棄をきっかけに中学生の頃から家庭を支えることになったOL」「キャバクラで働きつつ高卒認定を目指すシングルマザー」「父親が分からない子供を妊娠し母性を感じない女性」など、自身の親やパートナーに問題を抱えている女性が主となっている。そのセーフティーネットとして利用される風俗業の実態も綴られている。
後半につれて“衝撃度”が増す一方、随分と極端な例が取り扱われている印象を持った。もしここに書かれていることが一般的な現実かつ日常であれば、世の中は相当荒れた状態になっている。
数々の事例を紹介し、あくまでも問題提起に留まった本作。自分のこれからの生き方を考えさせられる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会
- 感想投稿日 : 2015年6月27日
- 読了日 : 2015年6月27日
- 本棚登録日 : 2015年6月22日
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