ジビエを食べれば「害獣」は減るのか: 野生動物問題を解くヒント

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  • 八坂書房 (2013年6月1日発売)
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感想 : 10
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前半は山のジビエについて。
シカの増殖については、ハンターの不足、シカ肉の流通し辛さ、、オオカミを導入すべきという意見。
私はシカ刺しが大好きなのでなぜか流通に不適と言う事実に首を傾げたが、実際問題としてハンターが減り過ぎ、鹿を捕食する動物がいない現実はまずいと思うので、オオカミ導入論には賛成している。オオカミ導入に対しては、人間側の距離の取り方が一番問題となるだろう。距離を保つこと。餌付けなど決してしないこと。徹底した周知と教育を制度化し、いつかオオカミを放ってほしいと思う。
あとハンター資格ももっと柔軟にしてくれたらな、私みたいに鹿を打ちたい女にも、とも思う。老齢化し引退し行くハンターにだけ増えていく動物を任せるのには無理があるよ。

海のジビエについては、海は誰の持ち物でもなく、山は国有林だったり民有林だったりして生物はある程度畜産としてなりたっているのに対し、海産物は誰が育てているわけでもなく自然からただ獲ってきているものだ、というこの二つの誤差にまず目をつけているところがおもしろい。言われてみれば確かに。
海産物の資源減少は、それが市場にのるルートがあるためだという。「市場」原理の恐ろしさ、その刹那性について考えさせられました。

著者の動物観察の間の突発的な感想などもあり、文章は散漫な印象だが、現在の日本の山と海の野生動物への向き合い方がどうなっているのか、知れる一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年11月4日
読了日 : 2013年11月4日
本棚登録日 : 2013年11月4日

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