授業の復権 (新潮新書 57)

著者 :
  • 新潮社 (2004年3月1日発売)
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教育者とは

かつて公立学校に週休二日制導入について議論されていた頃に
ある教師がテレビで
「教師も人間だから普通の会社員のように
デートやプライベートを楽しみたい」
と強く言っていたのを聞いて
そうか、時代が変わったのか、教師が「人間だから」と
他の人達と同じように扱ってほしいと「言う」ように
なってしまったのかと嘆いてしまった
本当の所、教師も人間で楽をしたいとか
仕事以外の生活にも時間をさきたいというのは分かるが
そういうのがあっても武士は食わねど高楊枝ではないが
威厳を持ってそのような弱音は吐かずに
尊敬される自分になれるように鼓舞していくのが
教師という職業そのものだと思える
ただ教師という職業の地位を落としたのには
保護者や教育委員会などの周りにも原因がある

このような現状において
独自に生徒たちの教育の向上をめざして
(あまり組織にお聞き立てをすると事が進みにくいため)
多方面から奮闘している教育者たちを取り上げ
それらの手法の光と影も本書では正直に説明している

その教育者たちは当然ながら一部の人達からは非難を
されているようであるが
元々は利潤追求、出世目的の一般の会社員には
考えられないような
滅私で身を削るような思いをして事を成してきていることに
頭が下がる思いである

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教育学
感想投稿日 : 2011年2月15日
読了日 : 2011年2月15日
本棚登録日 : 2011年2月15日

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