ヰタ・セクスアリス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1982
感想 : 173
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哲学者の金井湛(モデルは森鴎外自身)の性欲の歴史。
春画、男色、三角同盟、吉原、見合い、結婚…。
主人公は様々な『性欲的生活(ヰタ・セクスアリス)』の中で自問自答を繰り返す。

時代背景が異なるだけで、今も昔も『性』について考えることは同じだと思った。
また、たったこれだけの内容なのに(少なくとも私は全くエロさを感じなかった)、ポルノグラフィティ扱いされ、発売禁止されてしまうなんて、当時の人々の純情さに驚いてしまった。
禁止にされたことでこの美しい文章が当時世の中で注目を浴びることがなかったのかと思うと、純情はときに残酷なものだと思わざるを得ない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年2月19日
読了日 : 2012年2月19日
本棚登録日 : 2012年2月19日

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