小説日本婦道記 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1958年10月28日発売)
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本棚登録 : 624
感想 : 73
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友達の薦めで手に取ってみた。
短編集。

先日、
『静として揺るがず、正しく清くしとやかに
凛として美しく、明るく強くすこやかに
これがまことの、女子力だって明治生まれの曾祖母が言ってた』
という書き込みをネットで見かけたのだが
”女子力”という言葉がむやみやたらにおかしな意味合いで
もてはやされている昨今、こうした本当の意味での女子力を
日本の女性として考える必要があるのではと思う。

嫁と姑の関係となると、ちょっと個人的には
心穏やかに読めない部分もあったし
これはやり過ぎなのではと思うエピソードもなきにしもあらずだったが
武士やその家を守る妻としての役目、母としての役目
なにが正しく模範とされるのか
ということが、心現れるエピソードで描かれる。

夫にもわからないほど質素に生き、皆に慕われる妻や
義理の父と弟を思い、実の親を捨てて戻ってくる娘のエピソードが
個人的には好きだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年4月17日
読了日 : 2012年4月16日
本棚登録日 : 2012年4月11日

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