去年、実家の本棚に置きっぱなしだった手塚漫画を持って返ってきた。20年ぐらい前に読んだきりだったので、すっかり中身は忘れていた。
冒頭の手塚治虫の言葉
「従来の手塚カラーを打ち破り、あっけにとられるようなピカレスクドラマを書いてみたいと思って、この物語の構想を立てた。ありとあらゆる社会悪ー暴力、裏切り、強姦、獣姦、付和雷同、無為無策……、とりわけ政治悪を最高の悪徳として描いてみたかった。が、今となって遺憾千万なのは、すべて描きたりないまま完結させてしまった、自らの悪筆に対してである……。」
むごたらしい猟奇殺人に淫靡な同性のセックスシーン。これが1978年の作品ってとても思えない。
作中にビアズリーの絵が模倣されていて、いかにも男色な快楽主義的でそそられる作品だ。10数年前に映画化されているが、男色なシーンは一切ないらしい。10数年前でさえ、世間は手塚作品に追いつていなかったということか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2017年1月8日
- 読了日 : 2017年1月8日
- 本棚登録日 : 2017年1月8日
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