妻に去られた後、三十年以上会っていなかった父の遺産を得たナッシュは、赤いサーブを購入し、すべてを捨てて目的の無い旅に出た。
そして十三ヶ月目に入って三日目、夏の終わりの朝、田園風景の中で痩せっぽちでひどい怪我をした青年・ジャックを拾う。
それは車を走らせ続ける日々の終わりの必然、別の何かがはじまろうとしている予感だった。
しかし、救済を求めながらも墜落へと突き進むナッシュと博打の天才ジャックの偶然の出会いは、彼らを容赦なく理不尽で閉塞的な空間へと追い遣ってゆく──。
動くことをやめ、他人と関わり始めた時、人はどのような選択をし、自分と他人の運命を決めるのか。
『ルル・オン・ザ・ブリッジ』などで著名な八十年代のアメリカ文学の旗手が贈る、明日を望みながら絶望へとひた走る衝動と虚脱感に満ちた男たちの物語。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
外国の作家:A
- 感想投稿日 : 2010年6月11日
- 本棚登録日 : 2010年6月11日
みんなの感想をみる