- Amazon.co.jp ・本 (579ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122044951
作品紹介・あらすじ
守護大名の将軍殺害にはじまり、応仁・文明の大乱、山城の国一揆にいたるこの時代は、西欧のルネサンスと宗教改革に比肩される日本歴史上まれにみる活気あふれる世紀であった。この激動の百年を国人・地侍、商人・百姓らの新勢力に焦点をあてて明快に描き出す。
感想・レビュー・書評
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室町時代中期から後期、有名な応仁の乱が出てくる。
この時代は大規模な一揆(一揆と呼べるような規模でないものもある)が頻発したというのが本巻を読んだ印象である。おおよそ民主主義とは程遠いこの時代、国をまとめるには強権的とも言える強力なリーダーシップが必要だったのだろう。ところが、室町幕府中期以降の将軍にはその力がなかった。それゆえ、正長の土一揆や山城国一揆、その他乱が頻発したのだろう。
そしてそのまま戦国時代に突入した。その意味で、本巻でも書かれているように好ましくない時代ではあるが、日本史上重要な時代であったことは確かである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東国の動乱、将軍殺害、土一揆の蜂起、自検断の村々、有徳人の活躍、海賊衆と勘合貿易、京中の餓死者八万人、悪政と党争、応仁・文明の大乱、下剋上の怒濤、東山山荘とその周辺、逃亡の貴族と僧侶、町衆と郷民の哀歓、蓮如とその教団、山城の国一揆、”乱世”の国家像
色んな意味で足利義政と日野富子の人生が非常に興味深い。逆にどんだけ凄い人物なのかという意味では前巻の上杉憲実が興味深い。
この時代は当然”乱世”であり、「国家」の衰退という事にもなるだろう。
が、その中でこそ経済・社会・文化などの新しい時代が求めるすべてが醸成されていたのであり、それが戦国から江戸期に結実したのだろう。
なので、この時代は混乱と荒々しさを伴いつつも、日本史の中で最も若々しく創造的エネルギーに満ちた時代だったのかも知れない。 -
守護大名の将軍殺害に始まり、応仁・文明の大乱、山城の国一揆にいたるこの時代は、西欧のルネサンスと宗教改革に比肩される日本歴史上まれにみる活気あふれる世紀であった。この激動の百年を国人・地侍、商人・百姓らの新勢力に焦点をあてて明快に描き出す。
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本人による解説にあるように、歴史像が少し思想的影響を受けていると思う。
しかし、事実ベースのところのボリュームはさすが、中公の日本の歴史シリーズ。 -
室町時代がこんなに面白いとは思わなかった。
室町幕府は、京都の周辺の人口が15~16万人だった頃に8万4千人以上の餓死者を出しても、なぁ~んにもしなかった。将軍義政の時。
こういう記事を読むと消費税がどうの、年金がどうのという話しに青筋立てている人が滑稽に見えますよ。
室町の人々は本当に元気がいい。どうも上は守護大名から下は最下層の人々まで運や実力次第では社会的上昇が可能な状況で、ある意味「夢」が持てたみたい。
とにかく、みんな必死に生き抜いていたんだろうなという感じがして見習いたいと思いました。