せんせい。 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2011年6月26日発売)
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本棚登録 : 3221
感想 : 283
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タイトルのとおり、学校の「教師」にまつわるハナシが収められています。
私は中学校を卒業して社会人になったこともアリ、いわゆるフツーのヒトよりは接した教師の人数が少ないうえに、尊敬に値する教師というモノにはひとりとしてお目にかかったことがないので、このテの「先生モノ」には否定的なトコロがあるのですが、この本は、「このテの」とは一線を画する「先生モノ」でした。
描かれている先生や生徒が、弱さや汚さといった暗部をちゃんと持ったニンゲンとして描かれているトコロに好感をおぼえました。

聖職と呼ばれる教師という職業。
なかにはろくでもないやつだって当然いるワケですが、っていうか相当数いるワケですが、でもフツーの職業とはちがって、何万人もの人生とともにある職業というのは、それはやっぱり「聖職」と呼ぶに相応しいモノだなー。とか考えながら読みましたよ。

私が敬愛する「藤子・F・不二雄」というヒトの作品を読むと、作者の優しい人柄が、その絵やストーリーから伝わってきます。
今回、重松清というヒトの作品をはじめて読んだのですが、奇をてらわないオーソドックスな文章の端々や行間に、なんかF先生と同様の優しさを感じました。

この著者のヒトのちがう作品を読んでみたいデス。


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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年5月2日
読了日 : 2012年5月2日
本棚登録日 : 2012年3月1日

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