「近現代史の授業改革」批判

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iamgolgo13or007さん 教育   読み終わった 

 もちろん「近現代史の授業改革」というのは藤岡信勝氏が提唱する自由主義史観の歴史教育をめぐる動きのことである。藤岡氏らがディベートからはじまってこうした授業改革の提唱にいたったことはよく知られている。本書は「〈虚偽〉を研究することによって、正しい思考のあり方がわかる」という観点から論理的思考を鍛えるために書かれたものであり、「藤岡氏の著書・論文は様ざまな種類の虚偽が含まれている宝庫である」と宇佐美氏は見ている。宇佐美氏は藤岡氏が議論において番(turn)を守っていないこと、事実のつまみ食いという論争の基本において藤岡氏の論法の〈虚偽〉を指摘している。本書の大部分は池田久美子氏が書いているが、池田氏は藤岡氏の論理の矛盾を徹底的に析出していく。「極限事例の虚偽」、「過剰限定の虚偽」、「先決問題要求の虚偽」、「二重基準」、論点変更の虚偽」、「無知に乗ずる虚偽」、「事例による操作」、「すじちがいな比較」、「不当前提の虚偽」、「語の意味の歪曲」、「目的による操作」、「主体不問の虚偽」といった藤岡氏の〈虚偽の技法〉をあばき出していく過程は実に痛快だ。自由主義史観に対する批判としてだけではなく、論理的思考を鍛えるために日々の授業において活用したい。

 ★★★★ 自由主義史観の手口が満載。悪用しないでください。自らの論理的思考を鍛えるためにもチョーおすすめ。

レビュー投稿日
2010年4月5日
読了日
2010年4月5日
本棚登録日
2010年4月5日
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