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ブラザー・サン シスター・ムーンについてのichi10000さんのレビュー


ichi10000の本棚»

2012年~ ■読んだ本をジャンル問わず(+ゲーム) ■漫画&ゲームは基本レビューなし/小説のみ感想

ブラザー・サン シスター・ムーン 1081人が登録 ★2.99

著者: 恩田陸 
本 / 河出書房新社 / 189ページ / 2009年01月23日発売

レビュー by ichi10000さん

恩田陸   読み終わった  読了日 : 2012年01月22日  3  登録日: 2012年01月16日

【読み始め:2012年1月21日/読了:2012年1月22日/時間:2h】

数年ぶりに読んだ恩田さんの作品でした。恩田さんらしい作品。以前エッセイで「小説を書く、という作業は発掘と同じようなもの」というような事を仰っていましたが、恩田さんの書く小説は本当にその通りだと思います。
伏線が投げっぱなしだったり、意味がありげでなかったり(というか作中で回収されなかったり)、続きがありそうなのになかったり、その反対でその前の話があるだろうに書かれてなかったり。広げた風呂敷を基本的に畳まない書き方なので、合う人は合うし合わない人は合わないと思います。
この小説は特にそういう色が強いかと。苦手な人は苦手です。あと、他の方のレビューもざっと見ましたがやっぱり小説と言うよりは恩田さん自身の回顧録とエッセイ、もとい私小説の色合いが強いです。
これ、買うか買わないか、でいったら私は買いません。図書館などで借りて読む方がオススメです。ただ、個人的に恩田さんは好きなので★3で。

■第一部:あいつと私
「楡崎綾音」の視点で書かれた話。口語的。
読んでいる途中で何度か手を止めてしまいそうになりながら、酒を呷って読みました。綾音の名前が出てくるまでエッセイでも読んでいるような気分になりながら(実際の所綾音のエッセイ、という形なのかもしれないですが)、作中の綾音が言うような恥ずかしいような形容しがたい感情になりました。こういう話を読むと、恩田さんの書く物語は恩田さんの一部から成り立っているんだろうなぁ、と思います。何処か私小説のよう、というか自分の知識や自分の持っているものが随所に出てくるのが恩田さんの書く現代が舞台の小説に共通している点じゃないかと。

■第二部:青い花
「戸崎衛」視点の話。
綾音視点からは全く衛と付き合っているような描写が見えなかったので、衛視点で語られて少しビックリしました。綾音と同じように何処か冷めている、というか三人の中でやっぱり綾音に似てるのは衛だな、と。
最後に衛が繰り返し聞くようになる曲、っていうのは題名の「青い花」でいいんでしょうか?

■第三部:陽の当たる場所
「箱崎一」と雑誌記者視点が切り替わって進む話。
登場人物の中で一番掴めなかった人。最後の「『私たちは、別れるために出会ったのね』」という台詞(引用)に全てが詰まってるなぁ、と。思っていたより綾音の話ばかり、という訳でもなく、かといって綾音が彼にとって重要であるという点は変わらず。 レビュー登録日 : 2012年01月22日


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