「ロクヨン」とは1964年に発生した誘拐事件の符丁
作品中では「D県警」管内で発生したとされており、そのD県警の中で語り継がれているのだ
何故語り継がれているかというと、その誘拐事件の犯人を捕まえることができなかったからである
さて本作の展開
時代はロクヨンの時効間近
ロクヨンには刑事部として参加した三上という刑事が中心となって展開していく
三上は刑事部から警務部に異動になっている
いわゆるマスコミ対策の係をしているのだが、バリバリの刑事だった三上が異動になった理由は彼の娘の家出が原因
序盤はロクヨンに関わった人たちの現在を明らかにしつつ、地方警察対マスコミのどす黒いやり取りに多くのページを割いている
警察対マスコミのやり取りは読んでいてもイヤになるくらい
これはリアルなのだろうか?マスコミとはこんなにイヤな連中なのだろうか?
三上の娘の家出、警察対マスコミ、ロクヨン、基本はこれら3つのストーリーで展開していく
三上は熱い刑事魂を持っており、当初は警務部の仕事にハマっていなかったが、最後は警務部の仲間と共に刑務の仕事に目覚めていく
中盤以降は政治的な話で展開していく
地方警察刑事部の長であるD県警刑事部長の役職を本庁(警視庁)が取り上げようとしている事が判明
刑事魂を持つ三上としてはそれをぶち壊したい気持ちがありつつ、警務部の役職に就いている身としては本庁のお偉いさんがD県警に来る場をセッティングしなければならない
その葛藤が描かれている中で誘拐事件が発生する
ただの誘拐事件では無かった
確実にロクヨンの関係者がロクヨンで起きた事実を模倣して起こした誘拐事件と思われる誘拐事件だった
全体的に重厚なストーリー
取っ付きにくく、気楽には読めない感が大きい
個人的には序盤は集中できず
中盤から終盤に向かう当りから集中できた感じ
でも読んで良かった
面白かった
- 感想投稿日 : 2016年12月27日
- 読了日 : 2016年12月25日
- 本棚登録日 : 2016年12月27日
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