魔女ランダ考: 演劇的知とはなにか (同時代ライブラリー 34)

著者 :
  • 岩波書店 (1990年9月14日発売)
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「現在、人間の隠された世界の解明を目指すさまざまな学問領域、つまり精神医学、文化人類学、比較行動学、記号学などにおいて、知るものと知られるものとのいきいきとしたダイナミックな交流を生み出す感受性、直感、経験、演技性が要求されてきている。それは、理由のないことではない。そららの諸学問においてそのような諸点が前面に出てくる時、疑似科学だとか遊びだとか言われることも少なくなかったけれど、そのような無理解こそかえって新しい知の到来と方向を示していたといえよう」

ここに演技性、つまり役割が並列に記載されているところに深みを感じる。そしてこれらを解き明かすことは自然科学のちから、もう少し広げれば計量的な手法では問題があるように思う。

そうした場合、一番やってはならないのは疑似科学的な方法、すなわち「科学という権威を用いてそれらしく見せる」ということである。それなら開き直って、「これは遊びですよー」といってやったほうがよほど誠実に違いない。

これらを解き明かそうとする解釈やら何やらというのは、開き直ってその「魅力」で語るからこそ強いのであって、「真実性」を押し出すことは間違いなのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: また読み返したい本
感想投稿日 : 2013年10月6日
読了日 : 2013年10月5日
本棚登録日 : 2013年6月27日

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