スティグマの社会学 改訂版: 烙印を押されたアイデンティティ

  • せりか書房 (2001年4月1日発売)
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感想 : 23
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「以上のことに含意されるのは、人間の特異性を理解したければ、特異な者にではなくて、平均的な人びとにこそそれを求めるべきだ、ということだ」

僕は昔から特異なものが好きだった。それは今も変わらずそうで、宗教学というトピックを選んだのも、言ってみれば変な人やものや思想が好きだったからだ。

その一方で、いわゆる平均的とされる人やもの、思想にはあまり目を向けてこなかったという事実がある。それはいうなれば、なぜ「特異」とされているものが「特異」であるのか、その社会的背景を見過ごしてきたということもある。自分を平均的な人であると決めつけ、その自分と違うものを見ることで、面白がっていただけなのだ。

そういった見方も良かったけれども、もう一歩引いてみて、「なぜそれが特異なのか?」というところにまで視野を広げると、昔は興味のなかった「平均的なもの」が逆に面白くなる。その平均的なものも、例えば世界各国との比較のときに平均であるとは言えないという面白みもあるだろうし。

ということで、最近は中二病をやや脱して?平均的なものに関心が出てきたよという話。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読んで良かった本
感想投稿日 : 2013年3月28日
読了日 : 2013年3月28日
本棚登録日 : 2013年3月13日

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