子どもへのまなざし (福音館の単行本)

著者 :
  • 福音館書店 (1998年7月10日発売)
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本棚登録 : 2705
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著者:児童精神科医
・乳幼児期は、その子どもの生涯にとってとても価値のある子育ての時期に立ち会っているのだと考えて、誇りと責任をもってほしい
・子どもは人と、特にほかの子どもと育ち合う。一緒に育ち合ってくれる子ども、一緒に夢中になれる遊びを見つけられるように導く。子どもは子どもから学ばなければならない。家族同士で誘いあって出かけたりして、子どもの社会性を育てる。自分の子どもを人様に預ける、人様の子どもを預かる
・大人が邪魔をしなければ、子どもは子どもなりの素質と個性と能力で、みんな発達していく。待つことに楽しみや喜びを感じられるように。待つ姿勢は、子どもを十分信頼しているという気持ちを伝える。自律を助けることがしつけ
・子どもが安心して失敗ができるように。親が謙虚さ、素直さ、責任感を持って謝る
・過剰な期待をされている子どもは拒否されているのと同じこと。過剰期待や過剰干渉を受けた子どもは社会に適応できず、不自然で非人間的な社会的行動になる
・生後六か月から二歳くらいがソーシャル・レファレンシングが最もよく育つ時期。できないことをやってもらう、できたときに一緒に喜んでもらうこと
・子どもが望んだことを望んだ通りにやる。子どもが望んでもいないことをやりすぎる・やらせすぎるのは過剰干渉
・「依存と反抗」は成長と発達の証しとして喜び、どちらも思い切り受け止め、安心感を与える。親の前で安心して暴れたりわがままを言えるのが本来の自然な子ども

感想:まず本を手に取ったときに、字体や装丁や山脇百合子さんの挿絵が子どもの頃読んでいた児童書のようで懐かしい気持ちになった。内容も講演を文字におこしたものということで終始優しく語りかけられている感覚で読める。確かに昔を美化しすぎているように感じる部分もあるが、それも微笑ましく読ませていただいた。子育てに対して暖かく優しく大きな気持ちにさせてもらえる本。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月22日
読了日 : 2017年8月22日
本棚登録日 : 2017年7月26日

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