読書記憶»
読書状況が指定されていないものはすべて既読です。手持ちの本は何回か読み返すことが多いです。
レビュー by inkerさん
引用
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いろいろなことなど、見たくない。つくづく、思った。でも、見なければ、生きてゆけない。
そのことを、残念ながら、わたしはいつしか知るようになっていた。ここまで生きてくるあいだに。
― 26ページ -
おれは何も決めなかったと思っていた。決めているのは、おれ以外の者たちなのだと思っていた。でもそれは、違っていた。
おれは、生きていたというそのことだけで、つねに事を決めていたのだ。決定をする、というわかりやすいところだけでなく、ただ誰かと知りあうだけで、ただ誰かとすれちがうだけで、ただそこにいるだけで、ただ息をするだけで、何かを決めつづけてきたのだ。
おれが決め、誰かが決め、女たちが決め、男たちが決め、この地球を取り巻く幾千万もの因果が決め、そうやっておれはここにいるのだった。
― 264ページ






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