カネボウは紡績から身を起こし、化粧品事業で世に知られる。だが長年にわたる粉飾決算のため、その屋台骨は蝕まれていた。常務取締役・番匠啓介の孤軍奮闘も虚しく、カネボウはその両翼をもがれてしまう。やがて、彼は東京地検特捜部にある疑惑を抱かれ―。経済界を揺るがせた企業崩壊、その渦中にいた者にしか描きえなかった、迫真の人間ドラマ。
カネボウの崩壊した理由がほんとわかります。当時のカネボウに関する、テレビや新聞からの情報、あるいは勝手なイメージで想像したカネボウとこの本を読み終えた後の真実。
こんなにギャップがあったなんて・・・・
我々はいかに、偽造された事実をあたかも、真実のように、何でもわかった気で生活しているのだろうか。
この本を読んでみると、地検が作者の不起訴となる決め手の証拠を掴んでくるではないか。改ざんという証拠隠滅で、犯罪者に仕立てあげようとした地検とは全く逆のケースである。
地検はどちらの顔が真実なのか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
経済小説
- 感想投稿日 : 2012年6月24日
- 読了日 : 2007年3月10日
- 本棚登録日 : 2011年6月5日
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