20151106
まるで読みながら自分自身が異星の異文化の中へ入り込んで行くような感覚。序盤はとっつきにくいが、舞台となる惑星ゲセンの説話や、調査報告書、伝説などを挟みながら、複眼的・重層的に語られる語り口は圧巻。地球人である主人公ゲンリー・アイとゲセン人エストラーベンが文化や生態の違いをこえて、また困難極まる氷原の逃避行を経て友情を結んでいく経緯は感動的で、ラストでエストラーベンがアイの目の前で銃殺されるシーンでは涙を禁じ得ない。ゲド戦記と同じく、新たな発見を期待してもう一度読み返したくなる傑作。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年11月6日
- 読了日 : 2015年11月6日
- 本棚登録日 : 2015年11月6日
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