明治期と戦後の日本が著しい経済発展を遂げた背景には、経済勤勉かつ従順で与えられた目標に向かって猛進する国民性とその努力のほかに、さまざまな幸運(経済復興に寛容な占領政策、原材料の低廉化、朝鮮戦争の特需など)に恵まれていたと書かれています。
日露戦争を勝利に導いた東郷平八郎も「日露戦争の勝利は"奇跡"」と回想していたことを思い出し、この幸運や奇跡は本書にあるとおり、まさに「天は自ら助くる者を助く」、「勤勉に働く国民に与えられる一種の贈り物」なのだと感じます。
巻末の「思出す侭」は、現在の状況に通じる箇所が多々あり、昭和30年に書かれた文章と思うとは思えません。
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- 感想投稿日 : 2011年9月17日
- 読了日 : 2011年10月1日
- 本棚登録日 : 2011年9月17日
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